戒める人と戒められる人…

こんなことを書くからと言って、おれ達は別に正義感を振りかざしたりしたいのではない。

しかし、とても考えさせられる小さな事件が起きた。

うちのマンション前の神社と公園は、この時期桜の名所となり、多くの屋台も出て花見宴会客で賑わう。この期間だけ、境内通路に設置されるピンクの提灯が、咲き誇る桜を可愛い表情へと演出し、余計に気分も盛り上がる。 
ところが先週末、見たくもない光景に愕然としてしまったことが…。それは…

たまたまマンションエントランスを出ようとしたところ、植え込みに立ちションしようとする若いサラリーマン風の男の姿が目に入る。唖然とするおれの横から、カミさんが急いで駆け寄り、声をかける。
「ここはトイレではありません!植え込みにそんなことしないで下さい!」すると、男は気まずそうに慌てて去っていく。
  
今度はおれ達が夜桜鑑賞の散歩を終え帰宅すると、また別の男が敷地内奥にまで行って、隠れてコソコソ。
「こらっ!そんなところで何してるねん!出ていけ!」…今度はおれが一喝。
しかし、気づいたのが遅く、床タイルから見たくもない液体が側溝のほうへと流れ出している。
  
その怒号に気づいた同じマンションの理事会メンバーも下まで応援に来て下さった。
 
その後マンション前の道路向かい側通路に座って様子を観察していると、立ちション被害は実はうちのマンションだけではない。両隣のマンション駐車場にも、暗闇を探しにやってくる男たちの姿が後を絶たない。結局、手分けして4人の大人で、3棟のマンションのエントランス見張りを急遽することになった。
 
我々が注意をする
→最初はバツが悪そうにする
→酷い奴は「ションベンなんかしてへんわ。携帯していただけや!」と幼児以下のウソをつく
→もっと酷い酔っぱらいは「なんやねん!人がせっかくエエ気分で呑んでたのに!」と悪態をつく

参った…。罪悪感なんて、カケラも見当たらない。
彼らの心の中では「花見をされる場所の近くに住む者は、そんなことされるのは覚悟しておけよ。」と言わんばかりか?…「ココが自分の家だとしたら、見知らぬ多くの人に立ちションされたら、自分はどう思うんや?!」なんて心情に訴えてみても、薄ら笑いで去っていく者すらおった。
 
公園内にこの時期限定で設置される簡易トイレの数は、昨年までの5つから3つに減ったことも原因なんやろうかとも思ったが…。その3つ並ぶトイレのところには、順番待ちをする行列がない時間帯でも、近隣マンション敷地内の暗闇に立ちションしに来る男が後を絶たない…。
その理由は何?…簡易トイレは汚いから?くさいから? …いやいや、罪悪感も何も感じない人たちの方が、心はよほど汚れている。

住民で話し合った対処方法

結局この日、見廻りをした4人で話し合った。
まあ、この週末の雨で、大阪市内の桜はほぼ散るだろうから、こんな見廻りは今年は必要なくなるやろう…。
しかし、来年以降は間違いなく何らかの対策が必要や。一方で、おれ達住民も、桜が咲くのは、毎年楽しみなんや…。
でも、こんな事実を知ってしまい、これから毎晩訪れる花見団体客を嫌な目で見るなんてしたくない。もちろん、きちんと簡易トイレを利用している人が大半。ただし、こんなに立ちションが多いと知ると、花見客全体を疑いの目で見えてきてしまうがな…。
  
来年以降の対策については、見廻りに立った他の3名に提案して、こんな案で落ち着いた。
「おれ達住民が、この時期は交代制にしてマンションエントランスのところで、小宴を開きましょうか…。目くじら立てて道路に立つなんてアホらしい。…だから、いっそのこと…われわれも楽しんでしまいましょう。女性もいる小宴の横でなら、立ちションしに来る人は一気に減るでしょう。その活動は、両隣のマンション理事会メンバーにも投げ掛けましょうよ。」
  
「お?それエエね!わし等も楽しむか!」…みんな前向きで良かった。
 
そこに落ち着くまでにおれが出した以下の案は全部却下されたけどね…。
・見廻りメンバー全員が迷彩服来て草むらに隠れ、立ちションする奴の股間に向けて水鉄砲攻撃作戦。
・一番立ちションされていた大きな木の根元に、落とし穴設置作戦。
・立ちションされる箇所はめちゃくちゃ滑るタイルに張り替え、自分の液体で滑って転んで服をびちゃびちゃにさせる作戦。
…その他何を言ったっけ???
立ション防止警備に立ってくれた同じマンション年配の方に「相変わらずあんた…逆境は全部ネタづくりにして…和らげるなぁ~」と腹抱えてくれてはったけど…笑顔で却下。

全国各地の名所の近隣住民は、おそらく同じような悩みが…

話を元に戻そう…とにかく、昨夜のことで、大きく気づいたことがある。
 
うちの近所でこんな感じなら、桜の名所とされる全国の公園近隣住民は、毎年同じ悩みを抱えているかもしれない。いや…東京スカイツリーができた後も、近隣のゴミ放置問題が大きく報道されていた。そう…桜だけでなく、名所と呼ばれるところは、近隣住民の「迷処」となっている可能性が大いにある。
来訪者にしてみれば、自分の家、自分の街ではないんやろう…。おれ達も、「公共の場所を楽しむな!」なんて言っていない。でも、少しは「みんなの場所」「自分の場所」という感覚で、大事に名所を楽しんでほしい。
 
先週末は、日銀の金融政策・量的緩和で株価も一気に上がった。景気がよくなる気運も高まっているんやろう…。
でも…それはあくまでもカンフル剤的な措置で、経済ファンダメンタル・企業競争力の根本的改善になっているわけではない。…つまり、浮かれている場合ではないのだ。気分まで緩んでいる場合ではないのだ。桜は咲き乱れたが…心まで乱れてはいけないのだ。
それに加え、自分の都合さえ良ければいいという浅はかな振る舞いで許されるはずがないのだ。
大切なのは…みんなで手を取り合って笑顔になるという「文化」づくりなのだと思う。

戒めるよりも、笑顔で文化を作りたい…

こんなブログを書いた意図としては、「地元の悲痛な想いを解って欲しい」という訴求や、「軽犯罪として有罪云々…」という議論が本来の目的ではない。
一方で、おそらく今のままでは、トイレの数を増やしたところで、名所での過ごし方のマインドが変わらない限り、焼け石に水やろう。それよりも、このブログに共感頂ける方々には、いろんな名所に行った時には、近隣にそっとした気遣いをしてあげて欲しいと切に願う。
 
ルール、マナー、デリカシーの問題はさまざまあれど…それに反している人にどう戒めるべきかという観点より、笑顔で地元の人と一緒に名所を楽しむという「文化」をつくることを共感者が率先して行って欲しい。
そうなると、自然とマナー違反する人も減るやろうと、どこかでこの国の人たちのことを信じ続けたい…。
そもそも、戒める人と戒められる人…最後は心の傷しか残らない可能性は高いしね…。
「他所から来た人も地元の人も、お互い気持ちエエ方が、そりゃ~ええやんか!名所はみんなで長く楽しく維持しようや!」という笑顔のつながりに変えたいというのが願いの本質。
 
文中にあったように、来年からうちのマンションは、目くじらを立てて監視をする代わりに、マンション前で住民同士の交代制で、笑顔で小宴を開きませんか?と発案したこと…。
これについて、マンション理事会宛てに正式に提案してみることとする。